開発の経緯

円型水路は、「縦断的に連続した排水溝のある円型水路」として、昭和45年に高速道路のスリップ事故防止のために、排水溝にゴムチューブを用いて現場打ち施工されたのが始まりです。
「排水溝が狭いという特長を活かした道路幅員の有効利用」、「全面に連続した排水溝があることによる集水能力の高さ」、また、「景観を活かす」等の機能が買われ、排水として利用されてまいりました。
この間、円型水路協会の会員は、それぞれ独自タイプを開発して製造と販売に従事してまいりましたが、去る平成6年12月に建設省より「建設工事費の縮減策」が通達されてからは、製品の統一化を図ることが必要となり、さらには効率化によるコストダウンも追求しなければなりませんでした。
そこで、会員の総意に基づき、過去30年間に蓄積したノウハウを導入して、協会として統一型円型水路の発売に至った次第であります。

 

Ⅰ型(暗渠)標準タイプ Ⅰ型(暗渠)バリアフリータイプ Ⅰ型(暗渠)Ⅴ型横断タイプ
Ⅱ型(開渠)自動車専用道路 Ⅲ型(開渠)一般道路縦断用
(境界ブロックなし)
Ⅴ型(暗渠)横断用
ⅡⅢⅣ型タイプ
都市型(開渠)    
   
※上記の製品は全て排水性舗装に対応できます。

主な特長

  1. 建設省構造規格案に準拠しており、横断・縦断ともにT-25対応になっています。
    ※構造計算は、下記の設計条件を基になされています。

    [Ⅰ~Ⅳ型]

    項目 単位 数値
    活荷重   T荷重(T-25)
    コンクリート設計基準強度 N/mm2 30 
    許容応力度 コンクリート応縮応力度 N/mm2 10 
    コンクリートせん断応力度 N/mm2 0.45 
    鉄筋引張応力度 N/mm2 160 
  2. バリアフリー・排水性舗装対応品です。
  3. 製品の接続方法は、ジョイントピン方式を採用しています。
    ※接続部に設けた専用の穴にジョイントピンを差込んで、側溝を連結させながら施工していく工法です。

    側面部の接続金具等の締付け作業が不要なため、最小の掘削幅で施工ができます。
    また、側面部に既設の構造物があって締付け作業ができないような現場においても、問題なく施工が可能です。

    接続部に延びを吸収する幅が確保されているので、施工後の商品の熱膨張による延びがでたとしても、破損や欠けなどが発生しません。

  4. 鉄筋被りが十分に確保されているので、寒冷地での塩害に強く、同時に東・中・西日本道路(株)や国土交通省の構造規格、また建設省規格にも対応し、耐久性が抜群の製品です。
  5. 専用の桝が用意されているので、製品と同一幅での施工が可能です。
  6. 円型水路の一般的な機能として、下記の機能を有しています。

    連続開口による最速の集水能力

    景観性の向上
    都市型を採用することにより、本体の上面にインターロッキングや自然石などを施し、8cm幅のグレーチングを見せて仕上げることもできます。

    土地の有効利用ができます。
    側溝本体上に、縁石を殆ど収めきるために、道路の幅員を広くとれるので狭い道路に有効使用できるほか、用地費が軽減できます。

    地下埋設物がある場合、掘削深が浅く施工できるので有利です。
    側溝本体は道路表面部に設置するので、暗渠製品のように地下深く掘削する必要がなく、地下埋設物がある所でも容易に工事ができます。

    開口がわずか8cmの帯状の延長のため、極めてスッキリと仕上がり、併せて車両が上を通過しても蓋のガタツキ音がありません。